さわだメモ

メモ書き

『ドラゴン桜』に学ぶ底辺校からの大学受験失敗


 先日ふと思い立ち、『ドラゴン桜』を全巻一気読みしました。

 非常に有名な作品なので説明をするまでもないかもしれませんが、簡単にストーリーを紹介すると、「経営破綻した底辺高校の運営問題を請け負った弁護士が、経営改革のために高校の進学校化を掲げ、2人の生徒を1年で東大に合格させようとする話」です。

 今から約10年前の作品で、「東大は簡単だ!!」というセリフや独創的な勉強法などが話題となり、ドラマ化もされました。
 
 私は高校生の頃にそのドラマを観ましたし、マンガも途中までは読んでいました。地方の普通公立高校から某1流大学への進学を目指していた私は、東大を目指す落ちこぼれ生徒の姿に自分を重ね合わせ、やる気を高めていたものです。

 ただ、結局マンガのようには上手くいかず、私は受験に失敗し、後期試験で受かった3流の大学に進学しました。模試では余裕でA判定だったにも関わらず受験に失敗したことで、当時は自分の不運を嘆いたりもしました。

 しかし、今回『ドラゴン桜』を読んでいると、受験生当時の自分の行動の多くが、典型的なダメな例として挙げられていることに気が付きました。落ちるにはそれなりの理由があったようです。当時気づければよかったのですが、私には後になってしか解らないことでした(気づきながらも実践できなかったということも多々ありますが)。

 ということで、自分への戒めとしてそのダメな振る舞いをいくつかピックアップしたいと思います。これらは、私に限らず、底辺校から難関大学を目指す学生が陥りやすい落とし穴ではないかなとも思うのです。



自分の身の周りにバツをつける

 自分の身の回りにすべてマルをつけてみる[中略]
 部屋がないのはマル かえって自習室で集中できる
 部活があるのはマル 生活にメリハリができて充実感を得られる…[中略]
 このように自分の身の周りの環境をすべて一度すべて肯定する
 すると前向きでポジティブな思考ができるようになる
  (第10巻)

 
 地方の普通高校に通っていると都市の進学校と比べて圧倒的に受験において不利なように感じられます。大手の予備校や塾に通えない。学校の授業は受験を全く意識した内容になっていない。本屋の参考書の品ぞろえも悪い。同級生には4年制大学に進学しない人のほうがむしろ多い。などなど

 私の場合そういった自分の環境を呪ったり、進学校の奴らに敵うのだろうかと不安になり、勉強が手につかないことがしばしばでした。マンガ内でも言われていますが、たとえ性格は変えられないにしても、受験に成功するためには、考え方を無理にでも変える必要があったのです。

 でも、これを読んだ当時は「自分の環境はどう考えてもマルにすることができなないよ…」と嘆いたんだろうなあ。
 

勉強の姿勢が悪い

 ケアレスミスを防ぐ秘訣 その一は… 勉強の基本姿勢を守る
 (第16巻)

 私は机に向かって勉強するのが大の苦手で、よく寝ながら勉強していました。そして確かにケアレスミスは多かったです。よく考えると今でも仕事でよくケアレスミスをしますね…。まあ姿勢だけが原因ではないにしろ、こういうところに一因があるのかもしれません。
 
 ちなみに、寝ながら勉強してると集中できないことに加えて、そのまま電気をつけたまま中途半端に寝てしまうので本当にやめた方がいいです。青年海外協力隊の派遣前訓練で久しぶりに勉強をしたのですが、私はこの悪癖を治せませんでした。

計算が遅い

 そもそも人はなぜ数学を嫌いになるのか[中略]
 理由はたった一つそれは…計算が遅いから
 (16巻)

 私は数学が大の苦手で、そのせいで受験に失敗したといっても過言ではありません。そして確かにその苦手のそもそもの原因は計算の遅さにあったと思います。ちなみに私の計算力は「足して2桁になる足し算は指を折らないと自信をもって答えられないレベル」です。中学校に入ってからは、定期テストで時間がいつも足りませんでした。
 
 ただ、受験生の頃に、遠回りをして単純な計算トレーニングをする余裕はありませんでした。働き始めてからも速算術の本を買って計算力をあげようとしましたが積読中です…。

生活の中心が自分中心になっている

 受験で失敗するのは自分の時間を最優先して生活サイクルを組み立てているタイプ
 このタイプの生徒は他人から決められた学校の授業や行事を軽視しして行動する
 だから勉強も自学自習が中心 深夜まで家で勉強するかわり朝寝坊してくる
 授業にでてもなかなか集中できず教師の話を聞かずに寝てしまったりする
 その結果受験のポイントを抑えられずに試験に落ちる
 (第18巻)


 これを読んだとき思わず「オレのことかー!!」と叫びました(心の中で)。自分自信の力で規律をもった生活を組み立てることができるのであれば問題ないのかしれませんが、高校生には難しいでしょう。というより私は今でも無理です。素直に学校の規律に乗っかる方が楽ですし、勉強に集中できるのは確かだと思います。
 
 ただ、ゴミ高校に通っていた人ならすべての人が同意してくれると思いますが、授業をきかなかった結果、受験のポイントを抑えられなくなるということは絶対にありません。マンガ内では否定されていますが、授業中の内職(自習)は必須だと思います。

センター直後腑抜け症候群になる

 年明け以降多くの受験生は学校の授業もなく自宅に引きこもり…
 目前のセンター試験のことだけを考えて一時も休まずに勉強し続けるが…
 そうしてセンター一色になった頭をセンター受験後に2次へ切り替えるのには大きなエネルギーがいる
 「少し休んでから」などと甘く考えていてはもう二度と以前のような集中力を取り戻すことはできず…
 あっという間に2次試験本番を迎え準備不足で大失敗をし不合格となってしまうんだ
 (20巻)

 「オレのことかー!!」とまたまた叫んでしまいました(心の中で)。私の場合センター試験の結果があまりよくなかったこともあり、うじうじとしたあげくやる気をなくしてしまいました。
 
 周囲は受験モードでないのですし、こういう忠告をしてくれる人もいないので、モチベーションの維持はとても難しいんですよね。私は上手く出来ませんでした。


勉強から離れて気分転換する

 まったく別のこと…楽しいことをして本当にストレスが消えると思うか?
 消えやしないさ…違うことをしてもストレスの根本を取り去ることはできない
 一度止まって気を休めたつもりでもまたすぐにいろいろな問題が頭の中を駆け巡る
 休んで気分転換したつもりでも目の前の問題は何一つ解決していないことに気がつき逆にイラ立ってしまう
 本番直前になったら結局…勉強で感じるストレスは勉強で取り除くしかないんだ
 (20巻)


 「勉強で感じるストレスは勉強で取り除くしかない」というセリフはこのマンガの中で一番の名言だと思います。本当に身につまされる…。

まとめ

 改めて振り返ると、受験生の頃に出来ていなかったことは今でも出来ていないことばかりですね。読んでいて、当時のことが思い返されるとともに、あのときからあまり自分が成長していないことに悲しくなりました…。

 ただ、周囲からの適切なサポートがないと、地方の底辺校から東大などの難関大に入るのは難しいだろうなあというのも感じました。実際は一流の講師陣も適切な生活指導してくれる人もいないなかで、正しい勉強法を選択し、迷うことなく、自分を律して勉強し続けないといけないのですから。

 
 まあうだうだと書きましたが、『ドラゴン桜』は単純に物語として面白いのでオススメです。なお私は最終巻で少し泣きました。


以上