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多田の日記

普通の人のただの日記

【書評】アガサ・クリスティの代表作を読んでの感想と点数

書評

 ミステリーの第一人者と言えば真っ先にアガサ・クリスティが思い浮かびますが、私はその作品のタイトルこそきいたことがありましたが、これまで読んだことはほとんどありませんでした。

 過去に唯一読んだことのある作品は『検察側の証人』でした。この作品は映画化もされた作品で(邦題『情婦』)、大学の授業で原文を読まされました。意外性のある物語とシンプルで無駄を感じさせない文章が印象に残っています。

 

 この年末年始にアマゾンでアガサ・クリスティ作品のkindle版全品半額キャンペーンが開催されていたため、いい機会だと思い代表的な作品を何冊か読んでみることにしました。どの作品を読むかは結構念入りに吟味したので、初めてアガサ・クリスティを読むには適切なチョイスだったと思っています。


 以下、忘備録的な点数と一言感想です。

ポアロ作品

 ショーロックホームズと並ぶ世界で最も有名な探偵の一人。ベルギー出身のフランス語ネイティブであり、「外国人」としてイギリスで生活しています。少々「鼻に付く」性格をしていますが、そこが逆に作品の魅力になっているようにも思います。

アクロイド殺し』 6点

アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 この作品に関しては少し事前情報が入ってしまっていたので、この人が犯人なんだろうなあと思いながら読んでいました。「でも一体どういうトリックで?」とそこが楽しみだったのですが、肝心のそのトリックはやや反則気味でした。またラストのポアロのとった行動には唖然としました。江戸川コナン君の爪の垢を煎じて飲ませてやりたい気持ちになりましたが、何が正義なのかを考えさせるラストともいえます。
 
 ただ、私はこの作品の淡々とした語り口が好きです。たとえネタバレしているとしても読む価値は十分あると思います。

オリエント急行の殺人』 8点

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 この作品もアクロイド殺しと同様に非常に有名な作品ですが、私は幸いにもネタバレなしで読むことができました。ポアロが謎を解いていくシーンのドキドキ感、臨場感は今回読んだクリスティ作品の中で一番でした。

 この作品は全く無駄なところがない完成された作品です。たった8作しか読んでいない人間がいっても説得力はないですが、アガサ・クリスティの最高傑作だと思います。

ABC殺人事件』 3点

ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 名前のイニシャルの順に互いに無関係の人が殺されていく有名な作品。ただ、『アクロイド殺し』や『オリエント急行の殺人』といった画期的な作品を読んだあとだったので、少し霞んでみえました。

『五匹の子豚』 7点

 16年前に起こった殺人事件の深層を関係者の証言から解き明かしていく回想ミステリー。犯人の動機という点ではいこの作品が最も印象深いです。非常に残酷な物語です。

ミス・マープル作品

 ポアロに次ぐクリスティ作品における有名な探偵で、温厚なおばあさん。『名探偵コナン』の「集められた名探偵」(烏丸蓮耶の話)で犯人だった千間降代のモデルと言ったらわかりやすいかもしれません。
 

『火曜クラブ』 2点

 ミス・マープル実質的な初登場作の短編集。毎回毎回話をきいただけで小気味よく犯人を当てていくのは爽快ですが、短編であるがゆえ一つ一つの物語の印象は薄いです。

その他

そして誰もいなくなった』 5点

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 ポアロやマープルといった有名探偵は出てきませんが、タイトルだけは誰もが知っている超有名作。タイトル通り無人島にやってきた10人が順番に死んでいくのですが、最後の1人が死ぬシーンにはゾクゾクしました。

『春にして君を離れ』 7点

春にして君を離れ (クリスティー文庫)

春にして君を離れ (クリスティー文庫)

 非ミステリーもので、殺人事件などの特別な事件は何も起こりません。独善的な中年女性が、何もすることのない旅先でこれまでの自分の人生を初めて振り返り、本当に自分は幸せだったのか自問自答するだけの話です。ただ、その女性の内面描写は巧みで、最後のどんでん返しもさすがです。


最後に
 
 以上が私の読んだクリスティ作品です。アガサ・クリスティの作品は今読んでも全く色褪せることのない傑作ぞろいでなので、一度も彼女の作品を読んだことのない人はぜひ読んで欲しいですね。


以上